三大テノールとしても知られるホセ・カレーラスは、オペラ歌手として、
キャリアの絶頂期ともいえる1987年、突然、急性リンパ性白血病に倒れ、一時は生命も危ぶまれるほどの危機に陥りました。
世界中を駆け巡ったそのニュースは、人々に大きな衝撃を与えましたが、
最新の医療と自身の不屈の精神力に支えられ、カレーラスはこの大きな
苦難を乗り越え、約一年後、奇跡の復活を果たしました。感動的な舞台
復帰のニュースは、何よりも同じ病と闘う人々に、大きな勇気と希望を
与えることとなりました。
カレーラスは、巡りあった医療と幸運に心から感謝し、新たな人生を白
血病撲滅活動に捧げるべく、1988年、故郷バルセロナに本部を置く、
「ホセ・カレーラス国際白血病財団」を設立しました。
その目的は、できる限り多くの白血病患者が最先端医療を受け治癒する
機会を増やすこと、医学研究者のための奨学金制度、医療機関の設備拡
充、患者と家族への支援、国際的な骨髄バンクネットワークの拡充、な
ど多岐にわたりますが、臍帯血移植の成果や、新たな治療法の研究など、
注目すべき医学的成果も報告されています。
白血病撲滅という夢の実現に人生をかける決意を固めたカレーラスは、
その後の自身の公演の多くをチャリティーと位置づけ、財団のために
精力的な活動を続けています。
そして2017年には、財団本部の地であるバルセロナに「ホセ・カレー
ラス白血病研究所」を完成させました。そこでは、治療に関する新たな
方針の発見や、もっとも効果的で最小限の副作用での治療を目指して、100人以上の優秀な研究者が集まり、すべての患者がこの病気を克服で
きるようになるまで、休みない研究が行われています。
そんなカレーラスの意思を受け、ホセ・カレーラス ファンクラブ ジャ
パン(JCFC)では、1989年10月、ファンクラブ内に「ホセ・カレー
ラス ファンクラブ白血病基金」を設け、カレーラス自身の意向を汲み、
毎年、バルセロナの「ホセ・カレーラス国際白血病財団」に寄付を送っ
ています。
カレーラスのライフワークとなった白血病基金に、皆さま方の温かいお
気持ちをお寄せいただき、この病と闘う日本をはじめ世界中の患者さん
や医療機関者をともに支えていただけますよう、心からお願い申しあげ
ます。